ニゾラールシャンプーというシャンプーをご存知でしょうか?
日本では販売されていないため一般的な知名度は低いのですが、頭皮トラブルや薄毛に悩む人たちの間では効果がスゴいことで有名なシャンプーなんです。
今回は、そのニゾラールシャンプーの効果を詳しく解析してみました。
医学的研究を元に解説し、ニゾラールシャンプーで実際に薄毛が回復した人の写真も紹介しています。
フケや頭皮のかゆみ、薄毛に悩んでいる方は必見ですよ!
ニゾラールシャンプーの有効成分はケトコナゾール
ニゾラールシャンプーの有効成分はケトコナゾール(Ketoconazole)という成分。
ケトコナゾールには抗真菌作用があり、皮膚の常在菌であるマラセチアに対して強い殺菌効果があります。
真菌とはカビの一種で、皮膚に感染すると脂漏性皮膚炎・白癬(水虫やたむし)・カンジダ症などを引き起こします。
脂漏性皮膚炎が発症した頭皮は下の写真のように、皮膚が赤くなり湿疹ができることが多いようですね。
フケ・脂漏性皮膚炎・頭皮湿疹への効果
日本ではケトコナゾールを配合したニゾラールローションとクリームが病院処方薬として販売されています。
ケトコナゾール配合のニゾラールシャンプーは日本でまだ製品化されていないのですが、アメリカやイギリス(イングランド)などでは市販されています。
海外のニゾラールシャンプーの添付文書には、フケや脂漏性皮膚炎に効果があると書かれています。
特に効果を実感しやすいのが、フケや頭皮のかゆみ。ネットの口コミを見ていると、「劇的にかゆみがなくなった!」「フケがすごく減った」というレビューが多いです。
私もニゾラールシャンプーを使ってからは、2日ぐらいお風呂に入らなくても頭皮が全くかゆくならなくなりました(^^)
脂漏性皮膚炎が改善したという口コミも当然ありますが、ひどい症状を完治させるにはステロイドと併用した方が早いかもしれませんね。
フケや脂漏性皮膚炎の治療の場合、1週間に2回の使用が推奨されています。予防の場合は、1~2週間に1回の使用でOKです。
ニゾラールシャンプーの口コミや使い方は次のページを参考に。
コラージュフルフルやオクトで効果がない人にもオススメ
日本で市販されているフケ対策シャンプーに、コラージュフルフルやオクトシャンプーといった商品があります。
それぞれの有効成分はミコナゾール硝酸塩とオクトピロックス(ピロクトンオラミン)で、フケやかゆみを抑える効果があります。
ただ、ニゾラールシャンプーのケトコナゾールに比べると効果は弱く、殺菌というよりは静菌(真菌の繁殖を防ぐ)程度の効果しかないと言われています。
ドラッグストアで手軽に購入できるのは嬉しいですが、医薬品のニゾラールシャンプーと比較すると劇的な効果は望めないようですね…
コラージュフルフルからニゾラールシャンプーへ変えて、フケや頭皮のかゆみが治まったという人はかなり多いですよ☆
アトピーに効く?
頭皮のアトピー対策でニゾラールシャンプーを使いたいという人もいると思いますが、基本的には適応範囲外のようです。
日本で販売されているニゾラールローションやクリームの添付文書にも、アトピー性皮膚炎についての記載はありません。
アトピーと脂漏性皮膚炎は間違えやすいので、「アトピーだと思ってたけど実は脂漏性皮膚炎」という方にはニゾラールシャンプーは効果が期待できるでしょう。
AGAへの育毛効果 -抗DHT作用-
ジヒドロテストステロン(DHT)という悪玉男性ホルモンによって起こる男性型脱毛症(AGA)。実は、ニゾラールシャンプーの有効成分ケトコナゾールにはDHTの抑制効果があることが分かっています。
薄毛の原因ホルモンDHTは次のような経路で生成されます。
プロゲステロン
↓
アンドロステンジオン
↓
テストステロン
↓
DHT
『プロゲステロン⇒アンドロステンジオン』の変換はCYP17という酵素が担っていて、ケトコナゾールにはその酵素をブロックする働きがあります。
プロペシアの有効成分フィナステリドは、『テストステロン⇒DHT』の変換を抑制する働きがあるので、ケトコナゾールはDHTをより上流でブロックする成分といえますね。
2017年に日本皮膚科学会が発表した『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン』では、ケトコナゾールの推奨度は「 行うことを考慮してもよい」C1の評価を受けています。
これは、薄毛治療薬のフィナステリドやミノキシジルに次ぐ評価なので、AGAにまずまずの効果があると考えていいでしょう。
参考文献:Ketocazole as an adjunct to finasteride in the treatment of androgenetic alopecia in men.
ニゾラールシャンプー(ケトコナゾール)で薄毛が改善した症例写真
続いては、実際にニゾラールシャンプーで薄毛が改善した写真を紹介していきますね。
AGA研究で有名な大阪大学の板見智教授が2007年に発表した研究では、シャンプー中やシャンプー後にケトコナゾールローションを外用するとAGAが改善したと報告されています。
論文には2名の日本人男性の症例写真が掲載されています。
Reversal of androgenetic alopecia by topical ketoconzole: relevance of anti-androgenic activity.
23歳男性の症例写真
23歳の男性に毎日シャンプー中にケトコナゾールローション2%を使用してもらったところ、薄毛が顕著に改善したとのこと。
6ヶ月間の使用で、前頭部から頭頂部(つむじ)付近の髪が明らかに増えていますね。
9ヶ月目で再び髪が薄くなっているのは、ケトコナゾールローションの使用を中止したため。その後、また使い始めると再び薄毛が改善して12ヶ月目には地肌が目立たなくなっています。
論文中には「シャンプー中にケトコナゾールローションを使用」と記載されているので、ニゾラールシャンプーを使ったのと同等の効果だと思われます。
25歳男性の症例写真
AGAが進行した25歳男性の症例も論文では紹介されています。
ケトコナゾールローション2%を10ヶ月間毎日使ってもらったところ、先ほどの男性と同様に薄毛が改善しました。
「シャンプー後すぐにケトコナゾールローションを使用」と記載されているので、先ほどの男性とは少し使用方法が違うようですね。
ケトコナゾールローションを育毛剤感覚で使った方が頭皮に残る時間が長いので、効果は高いのかもしれません。
シャンプーだけでなくケトコナゾールローションも通販で購入できるので、気になる方はこちらを参考にしてください。
ケトコナゾールだけの効果です
フィナステリド内服薬やミノキシジル育毛剤はどちらの男性も使っていないので、この発毛効果はケトコナゾール単体によるものだと考えられます。
プロペシアやリアップなどの薄毛治療を使ったような効果がでたのは、けっこうスゴいと思いませんか?
ニゾラールシャンプー(ケトコナゾール)は女性も使えるし、副作用の心配も少ないです。安全な方法で薄毛が改善するなら試してみる価値は大いにありそうですね!
ニゾラールシャンプーの通販での購入はこちらの記事を参考に。
ニゾシャン5ヶ月で薄毛が改善した外国人男性
海外のネット掲示板『HAIRLOSSTALK』に、ニゾラールシャンプーを5ヶ月間毎日使って薄毛が改善したという投稿がありました。
確かに、つむじ周辺の髪が増えているのが分かりますね。
フケや脂漏性皮膚炎の治療目的の場合は、ニゾラールシャンプーは1週間に2回が標準的な使用頻度です。
この男性はDHTをブロックする目的でニゾラールシャンプーを使ったので、プロペシアのように毎日使用したとのこと。
海外でもニゾラールシャンプーは『AGA治療薬』としては販売されていないので、薄毛対策用の使用方法は特に定められていません。
先ほどの板見教授の論文でも毎日使っていたので、育毛シャンプーとしては毎日使った方が効果があるのかもしれませんね。
抜け毛減少・髪の太さアップ・皮脂抑制効果
その他にもニゾラールシャンプーやケトコナゾールの効果を検証した研究があります。
2007年に発表された北里大学の論文では、ケトコナゾールローションを17名の男性に6ヶ月間使用したところ壮年性脱毛症が改善したと報告されています。
74%以上の患者の脱毛が減少し、脂漏性皮膚炎も改善したという結果が得られたとのこと。
また、1998年のベルギーの研究では、21ヶ月間に渡ってニゾラールシャンプー2%と市販シャンプー(ヴィダルサスーン)の効果が比較されました。
その結果、ニゾラールシャンプーを使った被験者は毛髪(毛幹)が太くなり、頭皮の皮脂腺の面積も減っていることが分かりました。
しかも、ミノキシジル2%育毛剤を使った被験者と同じくらい髪が太くなったというデータも報告されています。
2%ミノキシジルは女性用ロゲインと同じ成分濃度。男性用ほど効果は強くありませんが臨床でしっかりと育毛効果が確認されている製品です。
それと同じくらい髪を太くする効果があるのはスゴい結果ですね。
フィナステリド・ミノキシジルとケトコナゾールの併用がオススメです
以上のように、ニゾラールシャンプーやケトコナゾールには一定の育毛効果があることが分かっています。
これから育毛を開始する方だけでなく、既にプロペシア(フィナステリド)やミノキシジル育毛剤で薄毛治療をしている方にも、ニゾラールシャンプーの併用はオススメです。
フィナステリドの効果をアップ!
2002年のインドの研究論文では、フィナステリドやミノキシジル単独使用よりも、フィナステリド+ケトコナゾール2%外用の方が薄毛の治療成績が優れていたと報告されています。
つまり、プロペシアやフィンペシアとニゾラールシャンプーを併用することで一層効果が期待できるというワケですね。
ケトコナゾールとフィナステリドを併用することでDHT抑制効果がアップすると考えられているようです。
女性のDHT対策に
男性だけでなく女性もAGAになることがあり、FAGA(Female AGA)と呼ばれています。
女性はフィナステリドを使用できないので、DHT対策にはパントスチンぐらいしか有効な育毛剤がありません。パントガールなどの育毛サプリで薄毛治療をしている方は多いと思いますが、FAGAにはそれだけでは不十分かもしれません。
ニゾラールシャンプーは副作用も少なく値段も安いので、DHT対策の育毛アイテムとして追加してみてはいかがでしょうか?
私はルグゼバイブとケトコナゾールシャンプー使っていて、頭皮や髪の状態はかなり良い感じですよ(*^^*)
まとめ
- ニゾラールシャンプーの有効成分はケトコナゾール
- 【抗真菌作用】フケやかゆみ、脂漏性皮膚炎に効果がある
- 【抗DHT作用】AGAや薄毛対策にも一定の効果あり
- 抜け毛の減少や頭皮の皮脂抑制効果も報告
- フィナステリドやミノキシジルとの併用で万全な薄毛対策をしよう!