プロバンサインは汗を抑える効果のある医薬品。多汗症対策に効く数少ないお薬なので、ネットでも評判ですよね。
ただ、多汗症専門の薬というワケではなく、プロバンサインの添付文書には詳しい飲み方は特に記載されていません…
そこで、今回はプロバンサインの効果的な飲み方について詳しく調査。どんなタイミングで何錠飲めば汗を抑えられるのか検証しました。
これから購入を検討している方や、買ってみたもののイマイチ効果を実感できない方は参考にしてくださいね!
添付文書には多汗症用の服用方法は記載なし
プロバンサインはプロパンテリンが15mg配合された錠剤タイプの内服薬。病院で処方してもらう以外に個人輸入することも可能です。
個人輸入ではプロスパスというジェネリック薬も購入でき、成分量は同じなのでプロバンサインと同様の効果が期待できます。
赤色のボトルが海外製のプロバンサイン、青色がプロスパスです。どちらもこちらのサイトで購入したものです。
プロバンサインは多汗症薬として有名ですが、胃腸の痙攣(けいれん)や夜尿症にも使用される医薬品です。
服用方法について、添付文書には以下のように記載されています。
通常、成人には1回1錠(プロパンテリン臭化物として15mg)を1日3~4回経口投与する。なお、年令、症状により適宜増減する。
引用元: プロ・バンサイン錠15mgの添付文書
多汗症専門の薬ではないため、かなり大雑把な用法用量しか書かれていません。
食前食後などの飲むタイミングや、何回に分けて飲めばいいかなどは不明です。これでは多汗症対策へのプロバンサインの効果的な飲み方は分かりませんよね…
個人輸入した海外製のプロバンサインとプロスパスにも多汗症のための使用方法は特に記載されていません。「Use as directed by your doctor(医師の指示に従って使用)」と書かれているだけ。
そこで、皮膚科や美容クリニックの説明や、ネットの口コミを参考に適切な飲み方について調査しました。
なお、プロバンサインやプロスパスを通販で購入方法についてはこちらの記事を参考にしてくださいm(_ _)m
プロバンサインの多汗症薬としての効果的な服用方法とは?
皮膚科や美容クリニックのサイトでプロバンサインの服用方法を調べると、次のように書かれていました。
即効性が特長で、服用後1時間ほどで効果が現れ、約5時間効果が継続します。
引用元: 池袋西口ふくろう皮膚科クリニック
どうしても汗をかきたくない状況(大事な会議でのプレゼン、人と会うなど)の前に、1~2錠内服しておきます。そうすると2時間程度は汗をかきにくくなります。
引用元: 明治通りクリニック
プロバンサインを処方している病院自体少なく、服用方法について詳しく書いているサイトはあまりなかったです。
上の2つのクリニックの説明もあまり具体的でなく、効果の持続時間はかなり差があります。
これだけでは効果的な飲み方が分からないので、実際にプロバンサインを使用している人の口コミやレビューを調べてみました。
ネットの情報を詳しく調査すると一つ重要なことが判明!
それは、プロバンサインは空腹時が最も効果がでやすいということです。
プロバンサインの飲むタイミングは空腹時(食前)がオススメ!
実際に服用している人の大半が口を揃えて言うのは、「プロバンサインは食前など空腹時に飲むと効果が実感でき、食後だと効きにくい」ということ。
個人差はありますが、空腹時でないと全然効かないという人もいます。
私も夏に汗をかきたくない時はプロバンサインを飲んでいて、確かに食後だと効き目がかなり落ちます。
特にお腹いっぱい食べてしまった時は効きにくいです。
朝の通勤時に汗を止めたい方は、朝食前にプロバンサインを飲むなど工夫した方がいいと思います。会議など大事な場面で使う時でも食後は避けた方が無難です。
適切な服用量・用法容量は?
プロバンサインの効果は個人差が大きく、1回の服用量を調整している人が多いです。
1回1錠で十分汗が止まる人もいれば、2錠飲まないと効きづらいという人もいます。普段は1錠だけにして、絶対に汗を止めたい時に2錠飲むという人もいます。
オススメの飲み方は、空腹時に1錠からはじめ、効果や副作用をみて服用量を調整するという方法。
これだと初めてプロバンサインを飲む人でも安心だと思います。
いきなり2錠だと、副作用がですぎてしまうかもしれませんからね。
1錠でも効きすぎるという人は、1/2錠に分割したり、食後に飲むなどしてタイミングを変えみるのがいいでしょう。
効果の持続時間はどれくらい?
プロバンサインの効果の持続時間は1回の服用量によって違い、1~2錠だと大体3~4時間ぐらいという人が多いようです。
長くて5時間ぐらいですかね。
プロバンサインのインタビューフォームを見ると、半減期(成分の血中濃度が半分になるまでの時間)は次のように書かれています。
健常人にプロパンテリン臭化物30mgあるいは60mgを空腹時に単回経口投与したとき、それぞれ1時間後に平均最高血漿中濃度に達し、その血漿中濃度は30mg群及び60mg群で、それぞれ20.6ng/mL及び53.1ng/mLであった。
30mg群における平均吸収半減期0.22時間、平均排泄半減期は1.57時間であり、60mg群においてはそれぞれ0.29時間及び1.56 時間であった。
1時間後に血中濃度がピークになり、排泄半減期は30mg(2錠)・60mg(4錠)ともに1.5時間程度となっています。
1時間ほどで効果を実感しはじめ、1時間半で効果が落ちてくるという感じでしょうか。
半減期からすると持続時間は2時間ほどと考えて良さそうですが、実際にプロバンサインを服用している人の口コミだと少し長めですね。
半減期を過ぎても急に汗が吹き出しわけではないので、持続時間が長く感じるのかもしれません。
プロバンサインの効果がなくなってきたら、追加で飲めば効果が復活します。様子を見て適宜追加していけばいいと思います。
即効性はある?
プロバンサインは1時間で血中濃度がピークになるので、割りと即効性のある薬だと言えると思います。
会議やプレゼン、外出前など汗を止めたい30分~1時間前にプロバンサインを服用するのが良さそうです。
それぐらいの時間で効き始めるという口コミが確かに多いですね。
長期服用(長期投与)しても効果はある?
ネットではプロバンサインを数年間飲んでいる人がいて、効果は変わらず持続するというレビューも見かけます。
インタビューフォームを見ても長期服用は禁止されていません。
13.長期投与の可否
厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日)による投与期間の制限は設けられていない。
プロバンサインの耐性は不明ですが、長期間服用による大きな副作用は特に報告されていないようです。
ただ、皮膚科やクリニックのサイトではプロバンサインの常用は推奨されていません。
副作用(喉の渇き・顔のほてりなど)を考えると、突発的な汗を減らすための頓服薬として使った方がいいと書かれています。
毎日継続して飲むのは避けた方が安全かもしれませんね。
自分の体調と相談しながら上手く付き合っていくのが良さそうです。
プロバンサインを個人輸入してる人のレビューは『オオサカ堂』という通販サイトに500件以上掲載されています。飲み方について書いてる人も多いので参考にしてみてくださいね!
プロバンサインと飲み合わせの悪い薬・併用注意の薬
プロバンサインは三環系抗うつ剤などと相互作用があり、併用注意となっています。
添付文書に記載されている併用注意の薬は以下のようになっています。
薬剤名(成分名) | 製品名 |
---|---|
三環系抗うつ剤(イミプラミン・アミトリプチリン) | イミプラミン塩酸塩錠・イミドール糖衣錠・トフラニール錠・トリプタノール錠・アミトリプチリン塩酸塩錠など |
フェノチアジン系薬剤(プロクロルペラジン・クロルプロマジン・ジエチルペラジンなど) | ノバミン錠・プロクロルペラジンマレイン酸塩錠・コントミン糖衣錠・クロルプロマジン塩酸塩錠など |
モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン・フェネルジン・トラニルシプロミンなど) | エフピーOD錠・セレギリン塩酸塩錠など |
ジゴキシン・メチルジゴキシン | ジゴキシン錠・メチルジゴキシン錠・ラニラピッド錠など |
プロバンサインの抗コリン作用が増強されたりするので、これらの薬を飲んでいる方は気をつけてください。
抗不安薬のデパス(エチラーム)・ソラナックス(アルプラゾラム)・ワイパックス(ロラゼパム)、β受容体遮断薬のインデラル(プロプラノロール)、解熱鎮痛薬のロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)などとプロバンサインの併用は特に問題ないようです。
風邪薬には抗コリン作用の薬があるため、医師や薬剤師に飲み合わせについて確認した方が安全でしょう。
塩化アルミニウム制汗剤(パースピレックス・オドレミンなど)とプロバンサインの併用は特に問題ないとされています。
プロバンサイン服用中にアルコール(お酒)を飲んでも大丈夫?
プロバンサインの添付文書ではアルコールが禁止とは特に記載されていませんが、お酒を飲むと抗コリン薬の効果が過剰にでるので控えた方が安全です。
プロバンサインは汗を抑える効果があり、成分が体内にある時に飲酒するとアルコールが普段より回りやすくなる危険性があります。
尿も抑えられるためアルコールを体外に排出するのも難しくなります。
飲み会前にプロバンサインを飲むのは止めた方がいいかと思います。
禁忌について
プロバンサインには以下のような禁忌(服用禁止)があります。
- 緑内障 ⇒ 眼圧が上昇し症状悪化の可能性
- 前立腺肥大による排尿障害 ⇒ 症状悪化の可能性
- 重篤な心疾患 ⇒ 心悸亢進(動悸)が起こる可能性
- 麻痺性イレウス(腸閉塞) ⇒ 閉塞状態が悪化する可能性
上記の疾患のある患者さんは絶対に自己判断でプロバンサインを服用しないでくださいね。
その他の服用時の注意点
飲み合わせの悪い薬や禁忌以外にもプロバンサインにはいくつか注意点があります。
重要な注意点として、眼の調節障害や眠気が生じることがあります。プロバンサインの服用中は、自動車の運転や危険な機械操作はしないようにしてください。
また、次のような症状のある方や状況では慎重投与となっています。
- 前立腺肥大症
- 不整脈・うっ血性心不全・甲状腺機能亢進症
- 潰瘍性大腸炎
- 高齢者
- 高温環境
高齢者は口渇(口の渇き)・排尿障害・便秘・眼の調節障害などの副作用が現れやすいとのこと。
また、気温が高い環境でプロバンサインを服用すると汗が流れず体温が上昇しすぎる可能性があります。夏場にプロバンサインを使う人は多いと思いますが、熱中症などには十分気をつけてください。
妊娠中や授乳中の女性へのプロバンサインの使用は安全性が検証されていないため、医師に相談した方が安全です。
子供(小児)への安全性も確立されていません。高校生や低年齢の方がプロバンサインを使用する時も医師に相談した方がいいかと思います。
プロバンサインの効果と副作用については、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
- 多汗症に最適なプロバンサインの飲み方は記載なし
- 病院のHPによると1回1~2錠で効果の持続時間は2~5時間
- ネットの口コミでは空腹時の方がプロバンサインの効果がでやすい
- 1回1~2錠で30分~1時間後に効果を実感する人が多い
- 抗うつ薬などとの併用には注意を
プロバンサインは自分に合った服用方法を見つけ適切に使えば非常に便利なお薬だと思います。
いざという時のため常備しておくと安心できます。
この記事で検証したように、効果が実感しにくい方は空腹時に飲む方法をまずは試してみてくださいね。
口の渇きや目の乾きといった副作用があるので、プロバンサインを飲む時は水や目薬を携帯しておくのがオススメです。
くれぐれも体の変化に気をつけてプロバンサインを服用してください。